タイ国際航空でスターアライアンスゴールドを取得し、維持する方法

2026年4月ついにANAからスターアライアンスゴールドを半永久的に享受できたスーパーフライヤーズカードにメスを入れる案内がなされました。

ANA以外でスターアライアンスゴールドを取得し、維持する方法を知っておきたいと思い、今回は日本に比較的近いタイ国際航空でのスターアライアンスゴールドを取得し、維持する方法について調べてみました。

また、ステータスマッチはいつ制度が変わるか不透明なため、対象外としております。

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ANAからのスーパーフライヤーズ会員の改定案内

ANAは2028年4月より、スーパーフライヤーズカード(SFC)のサービス制度を大幅に改定することを発表しました。

今回の改定の最大のポイントは、ANAカードおよびANA Payの年間決済額に基づき、会員資格が2つの区分に分かれる点です。これにより、決済額が少ない会員は空港ラウンジ利用などの一部特典が制限されます。

改定の主なポイント2つの新区分を導入(2028年4月〜)することです。
年間決済額(判定期間中の合計)に応じて、サービス内容が異なります。

  • SFC PLUS: 年間決済額が300万円以上の会員。現行と同等のサービス(空港ラウンジ利用、優先チェックインなど)を継続。
  • SFC LITE: 年間決済額が300万円未満の会員。空港ラウンジの利用ができなくなるなど、一部の特典が制限される見込みです

判定期間
2026年12月16日から2027年12月15日までの決済額が、2028年度(2028年4月〜)の区分判定に用いられます。

今回の改定は、飛行機の搭乗実績だけでなく「決済額」を重視する内容となっており、いわゆる「SFC修行」を終えてカードを維持しているだけのユーザーには大きな影響が出る内容となっています。

タイ国際航空

タイ国際航空(Thai Airways International)は、タイのバンコクを拠点とする同国を代表する大手フルサービス航空会社(ナショナルフラッグキャリア)です。1959年の設立(1960年運航開始)から65年以上の歴史を持ち、タイの航空業界を牽引し続けています。世界的な航空会社格付け機関「SKYTRAX(スカイトラックス)」において高品質なサービスを提供する「4スター」に認定されており、タイの伝統文化に根ざした「タイ・タッチ」と呼ばれる温かみのあるきめ細やかなおもてなしが世界中で高い評価を得ています。

バンコクのスワンナプーム国際空港を主要ハブとし、アジア、ヨーロッパ、中東、オセアニアなど世界30カ国・40都市以上の広範なグローバルネットワークを展開しています。日本市場との繋がりも非常に深く、東京(羽田・成田)をはじめ、大阪(関西)、名古屋(中部)、福岡、札幌(新千歳)など日本全国6都市の主要空港とバンコクを結ぶ豊富な直行便を運航しています。また、世界最大級の航空連合「スターアライアンス」の創設メンバー(結成加盟航空会社)であり、ANA(全日本空輸)など提携航空会社とのスムーズなコードシェアやラウンジ相互利用による利便性の高さも大きな強みです。

タイ国際航空の歴史は、アジアを代表する国際航空会社へと成長し、タイの魅力を世界に発信し続けてきた、おもてなしと飛躍の歩みです。1959年の設立から、タイの伝統文化に根ざしたサービスと積極的なネットワーク拡大により、瞬く間に世界トップクラスの航空会社へと進化を遂げました。

1959年:タイ国際航空設立。スカンジナビア航空(SAS)との合弁事業として、タイのナショナルフラッグキャリアが誕生。

1960年:初就航。バンコクからアジアの9都市へ向けて初の国際線を開行。

1971年:初の大西洋横断路線として、バンコクからオーストラリアおよびヨーロッパへの長距離路線を運航開始。

1977年:タイ政府がスカンジナビア航空の株式を買い取り、完全なタイ国営の航空会社となる。

1997年:世界の主要航空会社4社とともに、世界最大の航空連合「スターアライアンス」を創設(初代メンバー)

1990年代〜:機内サービスや空港ラウンジの質が世界的に評価され、数々の賞を受賞。独自の機内ブランド「ロイヤルシルク(ビジネス)」や「ロイヤルファースト」が定着。

2020年代〜:経営再建に取り組みながら機材の近代化を進め、アジアと世界を結ぶ高品質な「4スター」の翼として高い信頼性を維持。

タイ国際航空とANAの規模を比較すると、売上高が1,902億バーツ(約9,500億円前後)とANAの半分以下の規模です。一時期の経営危機から大減量(機材・人員整理)を経て見事に黒字転換を果たし、V字回復を遂げた「再建・筋肉質化」のフェーズにあります。

項目 タイ国際航空グループ
(2025年実績)
ANAグループ
(2025年3月期実績)
売上高 1,902億バーツ
約9,500億円前後
2兆2,618億円
(過去最高)
就航都市 約63都市
(国内・国際合計)
約100都市前後
(国内・国際合計)
就航国 27カ国
(地域含む)
約20〜30カ国前後

日本との関係

日本へはバンコクから各地へ直行便を飛ばしています。

出発地(日本) 到着地 運航頻度(片道) 主な使用機材 備考
東京(羽田) バンコク 1日2便
(週14便)
ボーイング 777-300ER 2026年7月より全便が777-300ERに統一予定
東京(成田) バンコク 1日3便
(週21便)
A350-900 / B777-300ER 成田線は日本路線で最多の運航規模
大阪(関西) バンコク 1日2便
(週14便)
A350-900 / B777-300ER 季節や需要に応じて柔軟に機材を変更
名古屋(中部) バンコク 1日1便
(週7便)
ボーイング 787 / A350-900 デイリー(毎日)運航
福岡 バンコク 1日1便
(週7便)
A330-300 / B787 デイリー(毎日)運航
札幌(新千歳) バンコク 1日1便
(週7便)
ボーイング 787 冬季などの繁忙期は機材が大型化する場合あり

※運航スケジュールおよび使用機材は、関係当局の認可や季節ダイヤ、需要動向により予告なく変更される場合があります。

ANAとは日本=台湾間の路線や、双方の国内線の一部でお互いの便名を付与してコードシェアを行っています。ルフトハンザグループやユナイテッド航空とは違いJV(共同事業)ではなくスターアライアンスの提携先となります。

スターアライアンスゴールドの条件

タイ国際航空のマイレージプログラム「ロイヤルオーキッドプラス(Royal Orchid Plus)」ゴールドステータスを獲得すると、自動的に「スターアライアンスゴールド」の資格が得られます。ゴールドとなるための方法は2つあります。

獲得

条件A:クオリファイングマイル(Qマイル)で達成する場合

タイ国際航空およびスターアライアンス加盟航空会社(ANAなど)の搭乗で貯まる、ステータス判定用マイル(Qマイル)の積算数で判定します。

  • 過去12ヶ月間50,000 Qマイル 以上を獲得
  • または、過去24ヶ月間80,000 Qマイル 以上を獲得

条件B:国際線の搭乗回数(セクター数)で達成する場合

過去12ヶ月間に タイ国際航空が運航する国際線を40区間(セクター)以上搭乗

注意点:割引エコノミークラスなどの特定の予約クラス(T / K / S / G / V / W / L)による搭乗は、この「40区間」のカウント対象外となります。

維持

維持についても同様に二通りあります。

条件A:マイル数(Qマイル)で維持する場合

  • ゴールドステータス獲得(または更新)からの最初の12ヶ月間22,000 Qマイル 以上を獲得
  • または、ゴールドステータスの有効期間である24ヶ月間(2年間)通算44,000 Qマイル 以上を獲得

条件B:国際線の搭乗回数で維持する場合

  • ゴールドステータス獲得(または更新)からの最初の12ヶ月間に タイ国際航空運航の国際線に15区間以上搭乗
  • または、ゴールドステータスの有効期間である24ヶ月間(2年間)通算で タイ国際航空運航の国際線に30区間以上搭乗

具体的に条件についてみていきます。

タイ国際航空のマイレージプログラム「ロイヤルオーキッドプラス」では、マイルが「アワードマイル(特典交換用)」と「クオリファイングマイル(Qマイル)=上級会員の条件判定用」の2種類に明確に分かれています。

Qマイルは、タイ国際航空およびスターアライアンス加盟航空会社(ANAなど)に実際に乗ったときだけ貯まり、フライトの「区間基本マイル(TPM)」に、購入した航空券の「予約クラス(運賃種別)ごとの積算率」を掛け合わせて計算されます。ファーストクラスやビジネスクラスなら125%〜175%、格安のエコノミークラスなら0%〜50%のように連動します。ANAのプレミアムポイントと同様ですね。

プラチナ(最上位ステータス)

「ゴールド」の上には、タイ国際航空の最高峰ステータスである「プラチナ」が存在します。こちらも参考に紹介します。

ゴールドとプラチナの比較は以下です。

特典項目 プラチナ会員(最上位) ゴールド会員(上級)
スターアライアンス
共通ステータス
ゴールド ゴールド
ステータスボーナスマイル 20%
(TG国際線搭乗時)
10%
(TG国際線搭乗時)
達成・更新時ボーナス 10,000マイル 5,000マイル
マイル有効期限 無期限
(ステータス有効期間中)
通常通り
(獲得から3年後の四半期末)
特典航空券のマイル割引 年2回、必要マイルが50%OFF
(TG運航の国際線往復)
なし
無料アップグレード特典 50,000マイル獲得ごとに何度でも
(往復分・譲渡リストの家族等も可)
2年間の有効期間中に最大2回
(片道ずつ、本人のみ利用可能)
バンコクでのチェックイン ロイヤルファースト専用エリア
(A1〜A3カウンター/エコノミー搭乗時も可)
ロイヤルシルク(ビジネス)または
スターアライアンスゴールド専用カウンター
バンコクでのラウンジ利用 ロイヤルファーストクラスラウンジ
(同伴者1名まで無料)
ロイヤルシルク(ビジネス)ラウンジ
(同伴者1名まで無料)
無料受託手荷物の追加 +30kg
(個数制の場合は+2個)
+20kg
(個数制の場合は+1個)
手荷物の優先受け取り 最優先(ファーストクラス扱い) 優先(ビジネスクラス扱い)

プラチナは、スターアライアンスゴールドの権利はもちろん、タイ国際航空からファーストクラス同等以上の最上級VIP待遇を受けられる特別なステータスです。

獲得条件はこちらで、ANAのダイヤモンドがプレミアムポイント100,000と考えるとかなり厳しいものとなっています。(2年連続で80,000ポイントが必要なので160,000ポイントが2年で必要です。)

評価期間:直近の連続する12ヶ月間を1周期とし、2周期連続(計2年間)で判定
必要マイル:それぞれの12ヶ月間で「80,000 Qマイル」以上を獲得すること(2年間の合計ではなく、1年目・2年目ともに各80,000マイル以上必要)
【最重要ルール】:カウント対象となるのは、「タイ国際航空の運航便」かつ「ロイヤルシルク(ビジネス)またはロイヤルファースト(ファースト)クラス」の有償航空券による搭乗のみです。他社便(ANA等)やエコノミークラスでのQマイルは1マイルもカウントされません。

またタイ国際航空に生涯ステータスはありません

獲得と維持のシミュレーション(フライト回数・金額)

東京(成田・羽田)出発、エコノミークラス(通常運賃:積算率100%)をベースとしたシミュレーションです。バンコク単純往復は運賃が高くなりがちのため、乗り継ぎを活用します。(バンコク単純往復:9往復・約90万〜135万円)

獲得

パターン①:ヨーロッパ乗り継ぎルート(例:東京〜バンコク〜ロンドン)

タイ国際航空は伝統的にヨーロッパ路線が非常に充実しており、プロモーション(セール)も頻繁に行われます。

  • 獲得できるQマイル(往復合計)
    • 東京〜バンコク:往復 約5,720 Qマイル
    • バンコク〜ロンドン:往復 約11,900 Qマイル
    • 合計:約17,620 Qマイル(たった1往復でゴールド条件5万マイルの約35%を達成)
  • 目安運賃(往復総額)約14万円〜18万円
  • ゴールド取得(5万マイル)までの目安わずか3往復(総額:約42万〜54万円
    ※バンコク単純往復(9往復・約90万〜135万円)と比較すると、費用を半分以下に抑えられ、時間も大幅に節約できます。

パターン②:アジア内乗り継ぎルート(例:東京〜バンコク〜シンガポール/ジャカルタ)

「ヨーロッパに行くほどの長期休みは取れない」という場合におすすめの近距離〜中距離ルートです。東南アジア内の移動をあえてTGの経由便にします。

  • 獲得できるQマイル(往復合計)
    • 東京〜バンコク:往復 約5,720 Qマイル
    • バンコク〜ジャカルタ:往復 約3,400 Qマイル
    • 合計:約9,120 Qマイル
  • 目安運賃(往復総額)約10万円〜15万円
  • ゴールド取得(5万マイル)までの目安約5.5往復(総額:約60万〜80万円

いずれもポイントは積算率100%をいくらで購入できるかに掛かっています。

ルート(例) 獲得Qマイル
(1往復あたり)
目安運賃
(1往復総額)
ゴールド達成
(5万マイル)に必要な回数
ゴールド達成までの
概算総費用
メリット・特徴
ヨーロッパ乗り継ぎ
東京 ⇄ バンコク ⇄ ロンドン
約17,620マイル 約14万〜18万円 わずか3往復 約42万〜54万円 ・最速・最安で解脱が可能
・長期休暇が取れる方向け
アジア内乗り継ぎ
東京 ⇄ バンコク ⇄ ジャカルタ
約9,120マイル 約9万〜12万円 約5.5往復
(実際は6往復)
約50万〜66万円 ・3〜4日の休みで周回可能
・バンコク単純往復より大幅に安い

※運航スケジュールや運賃は時期・シーズンによって変動します。また、格安の予約クラス(V, Wなど)はマイル積算対象外となる場合があるため、必ず積算率100%以上の予約クラスでの購入が必要です。

維持

ゴールドを無事に取得した後、次の2年間(有効期限内)でステータスを維持するためのシミュレーションです。維持の条件は「2年間で44,000 Qマイル」または「2年間で30区間搭乗」に引き下がるため、取得時よりもハードルが下がります。

先ほどのヨーロッパ乗り継ぎとアジア乗り継ぎでシミュレーションすると以下になります。

ルート(例) 獲得Qマイル
(1往復あたり)
2年間の必要往復数
(維持条件:4.4万マイル)
1往復の
目安運賃
2年間の維持にかかる
概算総費用
1年あたりの目安
ヨーロッパ乗り継ぎ
東京 ⇄ バンコク ⇄ ロンドン
約17,620マイル 2.5往復
(実際は3往復)
約14万〜18万円 約42万〜54万円 年間 約21万〜27万円
(約8ヶ月に1往復)
アジア内乗り継ぎ
東京 ⇄ バンコク ⇄ ジャカルタ
約9,120マイル 4.8往復
(実際は5往復)
約10万〜15万円 約50万〜80万円 年間 約25万〜40万円
(約5ヶ月に1往復)

※運賃は時期により変動します。格安の予約クラス(V, Wなど)は対象外となるため、必ず積算率100%以上の予約クラスでの購入が必要です。

結局のところ精算率100%のチケットをいくらで確保できるかに掛かっていますが、要求数が「2年間で44,000 Qマイル」と低いためうまくいけば低コストで維持が可能となります。

結論

以上をより時間の現実味のあるアジア乗り継ぎでまとめるとこちらになります。国内線の乗り継ぎも含めて福岡や名古屋、大阪発にすると現実味があるかもしれません。

項目 【獲得(新規達成)】フェーズ 【維持(2年間の更新)】フェーズ
対象の判定基準 12ヶ月(1年間)で 50,000 Qマイル 24ヶ月(2年間)で 44,000 Qマイル
1往復の獲得Qマイル 約9,120マイル 約9,120マイル
1往復の目安運賃 約10万〜15万円 約10万〜15万円
必要な往復数 約5.5往復
(実際は6往復)
4.8往復
(実際は5往復)
期間内の概算総費用 約60万〜80万円 約50万〜75万円
1年あたりの目安費用 約50万〜66万円 年間 約22.5万〜30万円
渡航ペースの目安 約2ヶ月に1往復のペース 約5ヶ月に1往復のペース

※運賃は時期やシーズンにより変動します。格安の予約クラス(V, Wなど)は対象外となるため、必ず積算率100%以上の予約クラスでの購入が必要です。

タイ国際航空の最大の特徴は自社便の縛りがないこと、ゴールドの期間が2年間で維持が「2年間で44,000 Qマイル」と要求が低めなことが最大の特徴です。ANAのように国内線2倍、アジアオセアニア線が1.5倍といったブーストがないですが、上記の特徴をうまく使うと安く維持できるかもしれません。ただ、生涯ステータスがないため、タイ国際航空で飛ぶ意味はあまりないかもしれません。(生涯ステータスがある場合は自社便縛りが出てきてしまうと思いますが…。)

以上、タイ国際航空ででスターアライアンスゴールドを取得し、維持する方法でした。

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