航空会社間の連合組織であるアライアンス(航空連合)
世界にはアライアンスが3つ存在し、3大アライアンスと言われています。
この記事ではそもそも航空連合とは何か、そしてアライアンスの比較について解説していきます。
航空連合とは
航空連合とは航空会社間の連合組織のことです。
同一連合内においては、コードシェア便やマイルサービスの相互適用など、旅客の利便性を図り、集客の向上を目指しています。
本来ならエアラインは自社で世界中にネットワークを持ちたいところですが、
それはコストなど様々な面で不可能なのでエアラインどうしで協力し合い、ネットワークを共有しようという感じです。
そして世界には3つの航空連合があります。
・スターアライアンス(ANAが所属)
・ワンワールド(JALが所属)
・スカイチーム(日経エアライン所属なし、デルタ航空中心)
の3つです。
航空連合に加盟していないエアラインも多いです。
エミレーツ航空やエディハド航空、LCCなんかが代表例ですね。
航空連合の目的である旅客の利便性、集客の向上とは以下のようなものが挙げられます。
例えば同一航空連合内であれば
乗り継ぎを行っても預け荷物を最終目的地までピックアップすることなく届けてもらえたり、同一連合内でマイルを貯めあうことができます。
具体的には
ANAで日本からドイツまで行き、ドイツからスペインにルフトハンザで行った場合
ANAとルフトハンザが提携していなければ、ドイツで荷物のピックアップ
そして再度荷物のチェックインが必要となります。
しかし実際はANAとルフトハンザはスターアライアンス所属なので
日本から最終目的地のスペインに荷物が運ばれます。(スルーバゲージ)
(一部例外もあります。)
そしてドイツからスペインの航空券で貯まるマイルも本来ならルフトハンザのマイルが貯まりますが
ルフトハンザもANAも同じ航空連合所属なのでANAのマイルを貯めることができます。
ANAの区間(日本からドイツ)についてルフトハンザのマイルを貯めることもできます。
さらにANAの上級会員であればドイツの乗り継ぎでルフトハンザのラウンジを利用できたりします。
ドイツからスペインは何で移動してもいいわけですが、
どうせならスルーバゲージが出来たりラウンジが利用できるところがあるなら
そこを使おうとなり、他のエリアの航空会社と連携していても集客につながるわけですね。
3大アライアンス比較
つづいて3大アライアンスをいくつかの項目で比較していきたいと思います。
規模比較
まずはアライアンスの規模について比較していきたいと思います。
スターアライアンス | ワンワールド | スカイチーム | |
---|---|---|---|
加盟会社数 | 28社 | 14社 | 19社 |
就航国数 | 190ヵ国以上 | 150ヵ国以上 | 170ヵ国以上 |
就航空港数 | 1,300以上 | 1,000以上 | 1,100以上 |
1日の便数 | 21,000便以上 | 10,000便以上 | 15,000便以上 |
20年5月時点加盟会社にはコネクティングパートナーを含む
(スターアライアンス2社、ワンワールド1社)
こうしてみるとスターアライアンス→スカイチーム→ワンワールドの順の規模であることがわかるかと思います。
加盟航空会社の地域比較
続いてそれぞれのアライアンスに加盟している航空会社の地域についての比較です。
各アライアンスの地域ごとの航空会社を一覧にしたのが下の表になります。
スターアライアンス | ワンワールド | スカイチーム | |
---|---|---|---|
日本 | ①ANA | ①JAL | ー |
加盟航空会社数 | 1 | 1 | 0 |
アジア | ①中国国際航空 ②エア・インディア ③アシアナ航空 (韓国) ④エバー航空 (台湾) ⑤深圳航空 (中国) ⑥シンガポール航空 ⑦タイ国際航空 ⑧吉祥航空※ (中国) ⑨タイスマイル航空※ | ①マレーシア航空 ②スリランカ航空 ③キャセイパシフィック(香港) | ①大韓航空 ②中国東方航空 ③ベトナム航空 ④インドネシア航空 ⑤厦門航空 (中国) ⑥チャイナエアライン(台湾) |
加盟航空会社数 | 9 | 3 | 6 |
ヨーロッパ | ①エーゲ航空 (ギリシャ) ②オーストリア航空 ③ブリュッセル航空 (ベルギー) ④クロアチア航空 ⑤LOTポーランド航空 ⑥ルフトハンザ航空 (ドイツ) ⑦スカンジナビア航空 (スウェーデン、デンマーク、ノルウェー) ⑧スイス国際航空 ⑨TAPポルトガル航空 ⑩トルコ航空 | ①フィンエアー (フィンランド) ②イベリア航空 (スペイン) ③S7航空 (ロシア) ④ブリティッシュエアウェイズ (イギリス) | ①エアロフロート航空 (ロシア) ②エアヨーロッパ (スペイン) ③エールフランス ④アリタリア航空 (イタリア) ⑤KLMオランダ航空 ⑥チェコ航空 ⑦タロム航空 (ルーマニア) |
加盟航空会社数 | 10 | 4 | 7 |
北米 | ①エア・カナダ ②ユナイテッド航空 (アメリカ) ③コパ航空 (パナマ) | ①アメリカン航空 | ①デルタ航空 (アメリカ) ②エアロメヒコ航空 (メキシコ) |
加盟航空会社数 | 3 | 1 | 2 |
中東 | ー | ①カタール航空 ②ヨルダン航空 | ①サウディア (サウジアラビア) ②ミドルイースト航空 (レバノン) |
加盟航空会社数 | 0 | 2 | 2 |
南米 | ①アビアンカ航空 (コロンビア) | ー | ①アルゼンチン航空 |
加盟航空会社数 | 1 | 0 | 1 |
アフリカ | ①エジプト航空 ②南アフリカ航空 ③エチオピア航空 | ①エアモロッコ | ①ケニア航空 |
加盟航空会社数 | 3 | 1 | 1 |
オセアニア | ①ニュージーランド航空 | ①カンタス航空 (オーストラリア) ②フィジー航空 | ー |
加盟航空会社数 | 1 | 2 | 0 |
全体合計 | 28 | 14 | 19 |
※枠の関係上簡略化した名称あり(スイスインターナショナルエアラインズとターキッシュエアラインズなど)
こうしてみるとそれぞれのアライアンスに特徴があることが見えてきます。
アジア、ヨーロッパ、北米と重要な地域は
スターアライアンス時点でスカイチームが大きなネットワークを保持しています。
中東はワンワールドとスカイチームが同率でスターアライアンスは空白地域で弱みとなっています。(エジプト航空やターキッシュエアラインズがカバー)
南米はスターアライアンスとスカイチームが同率でワンワールドは空白地域です。
南米はチリのLATAM航空がかつてはワンワールドに所属していましたが脱退。これが非常に痛手となっています。
LATAM航空はスカイチームのデルタ航空が大株主でいずれスカイチームに加盟すると噂されています。そうなれば南米はスカイチームがトップに躍り出ることになります。
アフリカはスターアライアンスが3社加盟で優位となっています。
オセアニアはワンワールドが優位です。スカイチームは空白地域となっています。(アルゼンチン航空などがカバー)
上級会員
アライアンスには上級会員という制度があり、上記の各航空会社に数多く乗り、
航空会社の上級会員になることでアライアンスの上級会員になることが出来ます。
アライアンスの上級会員となると加盟しているすべての航空会社で上級会員として
扱われるため旅行好きにとっては非常にメリットが大きいです。
スターアライアンスとスカイチームでは2つのクラス、ワンワールドでは3つのクラスに分かれています。
スターアライアンス | ワンワールド | スカイチーム | |
---|---|---|---|
ファーストクラス相当 | ー | エメラルド | ー |
ビジネスクラス相当 | ゴールド | サファイア | エリートプラス |
エコノミープラス相当 | シルバー | ルビー | エリート |
ワンワールドがファーストクラスのサービス相当の上級会員があることが特徴的ですね。
それぞれの特典内容については以下の表の通りとなっています。
エコノミープラス相当 | ビジネスクラス相当 | ファーストクラス相当 | |
---|---|---|---|
ファーストクラスラウンジ | ー | ー | 〇 |
空港ラウンジ | ー | 〇 | 〇 |
優先チェックイン | △ | 〇 | 〇 |
保安検査場のゴールドトラック | △ | 〇 | 〇 |
手荷物優先 | △ | 〇 | 〇 |
手荷物許容量の追加 | △ | 〇 | 〇 |
優先搭乗 | △ | 〇 | 〇 |
優先空席待ち予約 | 〇 | 〇 | 〇 |
空港での空席待ちの優先 | 〇 | 〇 | 〇 |
※△はスカイチームのみ〇、スターアライアンスとワンワールドは✖
スカイチームはエコノミープラス相当でもチェックインや荷物の優先があるのが特徴的です。
ビジネスクラス相当の上級会員の名に恥じない内容になっています。
保安検査場のゴールドトラックの利用や手荷物の優先でストレスなく旅が出来たり。。。
このように搭乗前の時間をラウンジでのんびり過ごしたりすることが出来ます!
ポーランドのラウンジ ANAラウンジ
以上3大アライアンスの比較についてでした!
我々、旅行者からすると航空連合という制度は非常にありがたいですし、それによって各エアラインも集客を行うことが出来るという、win-winの関係が築ける素晴らしい制度だと思います。
ANAユーザーとしては更なるスターアライアンスの発展に期待しています!
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