Rocket-Lab(VACQ,RKLB)ロケットラボの銘柄分析(ビジネス/収益モデル・決算まとめ)

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ロケットベンチャー企業Rocket-Labの会社概要、事業領域、事業領域の市場、決算推移、株価情報についてまとめています。

PPT S-4

SpaceXの次に打ち上げ実績のあるロケットベンチャー

小型宇宙船「Photon」はNASAのアルテミス計画にも採用

23年から25年の売上CAGR(年平均成長率)は68%、20年は売上$35Million(約39億円)

21年は売上$69Million(約76億円) 、27年には売上$1,500Million(1,660億円)を目指す

当記事は私自身の投資活動ににおいて興味のある銘柄の情報を整理する目的で作成するものであり、該当銘柄への投資を推奨するものではありません。

とある旧財閥系、日経225オールドエコノミーで投資経済性を見ている不思議紳士です。20代でアメリカ株初心者です。PFの7割はVTIですが、余裕資金で個別株に挑戦中です。

今後様々な企業の分析をしていきたいと思っています。

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不思議紳士
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会社概要

それでは会社概要について見ていきましょう。

基本情報

Rocket Labはアメリカ、ロサンゼルスに本社を置き、 SpaceXを除き、今までロケット打ち上げに関しては一番多くの成功実績を持つ企業で2021年にSPAC上場を果たしました。

不思議紳士
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SPAC上場とは、事業を営んでいない“空箱”の企業が上場し、その後、ベンチャー企業などを買収することで、実質的にスピーディな上場を実現する仕組みのことです。

設立は2006年とそこそこ歴史ある会社でPeter Beckが設立し、現在もCEOを務めています。

Peter Beck氏はRocket Lab設立以前は、政府の研究所で複合構造と材料関係や、風力タービン、超伝導体などの技術を最適化する研究を行っていたとのことです。ニュージーランドの研究機関Crown Researchにもいたことがあるようです。

ちなみにオークランド大学から航空宇宙工学の非常勤教授に任命されているそうです。

Rocket Labは「We Open Access to Space to Improve Life on Earth 」を会社ミッションにしています。訳は「地球上の生活を改善するため宇宙へのアクセスを開く」といったところでしょうか。

Rocket Labは打ち上げサービス宇宙船のコンポーネント衛星や宇宙船の軌道上管理ソリューションを提供し、宇宙へのアクセスをより速く、より簡単に、より手頃な価格で実現することを目的にしています。

Rocket Labのロケットは、SpaceXのそれより少し小さいものの、小型ロケットから大型ロケットまでそろえています。積荷も人工衛星を運ぶだけではなく、有人飛行も想定しています。この点小型ロケットに特化しているAstraとは異なる点と言えるでしょう。

冒頭でも触れましたがRocket LabはSpaceXの次に今までロケット打ち上げに関して多くの成功実績を持つ企業です。

今まで18回の打ち上げを行っていたり、97の衛星を軌道上に配備したり、打ち上げたロケットの回収に成功(SpaceXに続き2社目)したりしています。

事業領域・プロダクト

続いてRocket Labの事業領域とプロダクトについて見てみたいと思います。

Rocket Labは中小型ロケット、衛星宇宙船部品、衛星、その他の宇宙船を設計・製造しており、「Launch Services」と「Space Systems」の2つのカテゴリーに分かれています。

Launch Services

衛星などを軌道上に配備するためのロケットを設計、製造、打ち上げるサービスです。

Rocket Labのロケットの主力は「ELECTRON:エレクトロン」という名前の小型ロケットで、21年3月まで17回の打ち上げに成功し(19回中)多くの衛星を軌道上まで届けています。

ELECTRONでは300㎏までの衛星をLow Earth Orbit:LEO(低軌道)まで飛ばし、配備することが出来ます。

ちなみに直近の打ち上げ(20回目)は21年5月でBlack Skyの衛星を運ぶ予定でしたが、 2段エンジンの点火直後にエンジンが緊急停止し、軌道投入に失敗しています。

その後、FAA(アメリカ連邦航空局)から打ち上げを再開するための承認を受け、次の打ち上げは2021年7月に行われる予定です。

Rocket Labは2021年3月、打ち上げ容量を8,000 kgに増やすことが可能となる中型ロケット「NEUTRON:ニュートロン」の計画を発表しました。

NEUTRONでは有人宇宙飛行と、国際宇宙ステーションへの貨物および乗組員の補給が可能となり、2024年に打ち上げが予定されています。

上記のELECTRONとNEUTRONで2029年までに打ち上げられる衛星の98%に対応可能としています。

下の図で一番左のロケットがELECTRONで真ん中がNEUTRONですので、大きさがよりわかるかと思います。一番右はSpaceXのFALCONです。

Space Systems

宇宙船や衛星の開発製造運用や、宇宙船の部品に至るまで、政府および民間の顧客に宇宙船ソリューションを提供するサービスです。

Rocket Labは小型宇宙船「Photon」を開発しています。

Photonでは宇宙関連の科学研究の実施地球に関する画像やその他のリモートセンシングデータの収集月面や惑星ミッションの実行に使用できます。

Photonは2020年8月に初めて打ち上げられ、NASAのアルテミス計画(2024年までに月面に人類を着陸させる計画)の一部に採用されることになっています。

さらにその後の火星と金星への惑星間ミッションにも採用される予定となっています。

そしてELECTRONおよびNEUTRONロケット、Photon、そしてプライベート発射台を活用することにより、完全なエンドツーエンドのソリューションを提供することができ、まだ形にはなっていませんが、データ管理や分析などの付加価値サービス 「Space Applications」が大きな未開拓の可能性を秘めているとRocket Labは述べています。

収益/ビジネスモデル・顧客

Rocket Labの収益は上述の2つの部門「Launch Services」と「Space Systems」から成っており、現時点では「Launch Services」が収益の大半(9割以上)を占めます。ゆくゆくは「Space Systems」の割合を3割くらいまで持って行くことを計画しているようです。

顧客は米国国防総省NASA、その他の米国政府機関などの政府機関やCanonBlackskyspireといった商用顧客も抱えています。

割合としては50%が商用、50%が政府関係とちょうど半々です。

市場見通し・規模

続いてRocket Labが事業を展開している市場について見ていきます。

宇宙に関連する事業は2030年$1.4Trillion(154兆円)を超えると言っています。

不思議紳士
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TAMは「Total Addressable Market」の略で、ある市場の中で獲得できる可能性のある最大の市場規模、つまり商品・サービスの総需要のことです。from:ingrow

このうちRocket LabのTAMは$350Billionとしています。 Launch Services関係が$10BillionSpace Systems関係が$20Billion、そしてプロダクト部分で形になっていないと述べたSpace Applications$320Billionとなっています。

後程売上については詳しく触れますが、Launch Servicesが27年に$1Billion弱、Space Systems$0.7Billion弱の売上を見込んでおり、それぞれ10%、3.5%のシェアを見込んでいるということになるかと思います。

ロケットの打ち上げはプレーヤーがそんなにいないので(売上を上げられているのはSpaceXRocket labのみ)まあ無理ではないシェアかなと思いますが、Space Applicationsはまだ形になっていないですし、売上の計画でも27年まで一切出てこないのでそもそもTAMに入れるのがどうかなと思います。。。

Rocket Lab以外のソースも見てみたいと思いますが、NTTデータが見やすい資料を公開していました。

こちらでも宇宙ビジネスの規模は2040年に$1Trillionを超えるとなっています。Rocket labのそれより少し少ないですね。

長いスパンですが、2016年から40年まで年率5.3%での成長が予想されています。

人工衛星を利用した観測分野や、通信事業の成長がなかでも著しいです。

SpaceXのStarlinkのスコープもこのあたりですね。

最近の宇宙市場の全体規模について調べてみると366Billionのようです。

決算情報

続いてRocket labの業績内容について見ていきたいと思います。

売上があるのでPL見てみたいと思います。2020年の売上は$35Million(約39億円)で粗利はマイナス、損益は$55Million(60億円)の赤字で如何にもSPACという感じのPLになっています。

19年比で売上がマイナスになっていますが、これはCovid-19によるプロジェクトの遅延などが影響しているとのことでした。

キャッシュフローなんかも勿論マイナスです。

21年の1-3月のPLは以下で売上が$18Million、粗利が辛うじてプラス、$16Millionの赤字となっています。売上は前年同期比で10倍以上になっているのでCovid-19の影響からだいぶ回復してきたのかなと思います。

SPACは過去の業績をあまり見ても仕方ないので2021年以降の業績について見ていきたいと思います。

会社側の資料での売上推移は以下の通りで2021年に$69Million(約76億円)の売上を上げ、27年には$1,571Million(1,730億円)の売上を目指しているとのことです。

なお、21年の売上予想の90%の予約は完了しているとのことです。

売上の内訳としてはこのような感じで、ビジネスモデル欄で述べたように現状は「Launch Services」が収益の大半(9割以上)を占めます。ゆくゆくは「Space Systems」の割合を3割くらいまで持って行くことを計画しています。

EBITDAの推移とUFCF:フリーキャッシュフローの見込みは以下でそれぞれ23年にプラス、24年にプラスとなる見込みです。

不思議紳士
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EBITDAは税引前利益に支払利息、減価償却費を加えて算出される利益のことです。 国によって金利水準、税率、減価償却方法などが違うためEBITDAを示す企業は多いです。

不思議紳士
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フリーキャッシュフロー」=「営業キャッシュフロー」ー「投資キャッシュフロー」で会社側が借金の返済や自社株買いなど自由に使えるお金のことです。

売上成長率は21年が約97%22年は155%、25年でも36%を目指しておりなかなかアグレッシブな内容になっています。

株価、時価総額、バリュエーション

続いて株価、バリュエーションについて見ていきます。

株価推移はこのような感じになっています。

SPACなのでバリュエーションを見る意味があるのか微妙ですが、一応こんな感じです。

時価総額:$4.1Billion

PSR:59倍

21年売上高$69Millionの場合

PSR:23倍

22年売上高$176Millionの場合

PSR:2.6倍

27年売上高$1,571Millionの場合

ちなみに他のSPACや他の宇宙関連企業とのバリュエーション比較が以下で、Rocket labはどちらかというと安くない部類に入る感じになっています。(すでに売上があるので直近で見ると安い方の部類に入ると思います。)

既に結構な実績があるというのが価値を上げているのかなと思います。

というかAstraのEBITDAや売上は本当に達成できるのか??という疑問が浮かんできます。。。

感想

以上Rocket labの企業情報や、事業領域の市場、決算を見てきました。

感想としては、宇宙関連銘柄ということで非常に期待感がありますが、やはりSPACということで、どれだけ計画がしっかり実行されるかもわからないため買いは焦らずというのがピッタリかなと思いました。

引き続き上記の計画がきちんと達成されていくのかチェックしていきたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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