4/20(月)の夕方ごろANAの20年1-3月の決算見込みがニュースになっていました。
ニュースによると2020年1~3月期の連結最終損益は594億円の赤字の見込みとのことでした。
このニュースは株価を刺激しないように取引時間外に発表された模様ですが
このニュースにより本日ANAの株価がどうなったのかとニュースの内容について見てみたいと思います。
ニュース記事
まずニュースとなっていた記事を見てみます。
ANAホールディングス(HD)は20日、2020年1~3月期の連結最終損益が594億円の赤字だったようだと発表した。
新型コロナウイルスの感染拡大による国内外での旅客需要急減が業績を直撃した。
今春の羽田空港国際線発着枠拡大に向け、機材や人材の積極投資を進めてきたことも影響した。
四半期での最終赤字は18年1~3月期(90億円)以来で、08年1~3月期の538億円を超える水準となる。
1~3月期の売上高は前年同期に比べて21%減の3,878億円となった。
2月後半から3月にかけて国際線が大幅減便となり、国内線が下支えしたものの大幅減収となった。
1~3月期の最終損益は1月末時点では75億円の黒字を見込んでいたが、当時は新型コロナの影響は織り込んでいなかった。
20年3月期の最終損益は前の期比76%減の270億円だったようだ。従来予想からは670億円下ぶれる。
売上高は4%減の1兆9700億円と、従来予想からは1,200億円の減収となる。
日経新聞
ちなみにJALは1-3月期200億円の赤字の見込みです。
売上は1-3月の4Qで前年比21%、年間で前年比4%の減なので思ったより減ってないなと思いましたが
よくよく考えると飛行機の運休などが本格化したのはこの1ヶ月間ですので大体計算も合うと思います。
1ヶ月/3ヶ月=30%×運航減ざっくり70%=約20%
1ヶ月/12ヶ月=8%×運航減ざっくり70%=約5%
しかし、1-3月の売上減が約1,000億円で、損益が約600億円悪化するのは仕方ないですね。
運行が減って多少燃料など(変動費)が減っても飛行機などの維持費(固定費)は掛かり続けますから。。。
航空業界は特に固定費が重いことで有名ですしね。
ただ年間損益は270億円の黒字と辛うじて年間での赤字は避けられたようです。
年間損益が黒字でも手元にキャッシュ(現金)がなくなったら倒産ですから
年間黒字にあまり意味はないのですが。。。
実際ANAは積極投資が目立っていたこともあり
足元の資金は厳しいでしょうから1.3兆円の借り入れもニュースになっていました。
そしてコロナ禍の影響もあってだと思いますが
ANAと提携を発表しており、羽田に就航予定だった
オーストラリアのヴァージンオーストラリアは経営破綻してしまいましたね。。。
これは政府からの支援について交渉が決裂したからのようです。
会社自体がなくなるわけではなく、かつてのJALのように再生を目指すとのこと。
残念ですが、このような飛行機が飛ばせない状況が続けばこういうニュースが増えてくるでしょう。
ANAの株価
損益の悪化が報道され株価がどうなる?と注目していましたが、
結論から言うと驚くほど株価に変動はありませんでした。
こちらが 本日のANA株の値動きです。
赤の横線が昨日の終値になっています。
上下はあったものの、昨日の終値とほぼ同じ値となりました。
1-3月期で約600億円の赤字決算の見込みが出ても大きな上昇や、下落といったものは見られませんでした。
理由としては「航空会社の損益悪化は予め予想できたものだったから」ということだと思います。
株の上下は投資家たちの考えによって決まると言われています。
損益がいいから株が上がるわけでも、損益が悪いから株が下がるわけではないんですよね。
投資家の予想よりもよかったら株は上がり、予想よりも悪かったら下がるわけです。
実際JALの200億円の赤字報道が出た後、予想より赤字幅が少ないと思った投資家が多かったのか、JALの株価は上がっていたはずです。
今回の場合航空業界では大幅な運休を余儀なくされ、損益が悪くなるのは火を見るよりも明らかでした。
そのため今回の報道は投資家たちにとっては予想の範疇の出来事であり、特に株価に影響を与えなかったわけです。
損益悪化による影響はすでに株価に反映されているということだと思います。
実際ANAの株価はコロナ前と比べて2/3程度になってしまっていますしね。
航空会社はGWの収入も絶望的であり、かなり苦しい状況が続くと思いますが、
何とか耐えて、また空に羽ばたいて欲しいですね。
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