航空会社にはいわゆるお得意様、上級会員という制度が存在します。
航空会社のラウンジ利用や優先チェックインなど多くの特典があります。
日本の航空会社ANAにもプレミアムメンバーという上級会員制度があります。
この記事では
・ANAのプレミアムメンバーの仕組み
そしてプレミアムメンバーと切っても切れない関係の
・プレミアムポイント
について解説します。
ANAプレミアムメンバー
ANAでは1月から12月までの1年間の搭乗実績によって次年度のステータスが決まります。
上からダイヤモンドメンバー、プラチナメンバー、そしてブロンズメンバーの3つです。
これらメンバーになるとANAラウンジの利用や優先チェックイン、手荷物の優先など
様々な特典を享受することが出来ます。
そしてこの3つのステータスは1年更新となっています。
そのため去年どれだけ多くANAに搭乗してダイヤモンドメンバーになったとしても
今年全然ANA便の乗らなかった場合来年はただの一般会員となってしまいます。
プレミアムメンバーの特典
続いてそんなANAの上級会員であるプレミアムメンバーの主な特典について簡単に記載します。
特典 | ブロンズ | プラチナ | ダイヤモンド |
---|---|---|---|
専用デスク | 〇 | 〇 | 〇 |
ANA SUITE LOUNGE | ー | ー | 〇 |
ANAラウンジ | △ | 〇 | 〇 |
優先チェックイン | △ | 〇 | 〇 |
手荷物優先 | ー | 〇 | 〇 |
座席指定の優先 | 〇 | 〇 | 〇 |
特典航空券優先 | ー | 〇 | 〇 |
フライトボーナスマイル | 〇 40~55% | 〇 90~105% | 〇 115~130% |
※ブロンズメンバーはアップグレードポイントによるラウンジ利用
優先チェックインはプレミアムエコノミーのチェックインカウンター
すべての特典はこちらから確認いただけます。
ANAの上級会員になることで憧れのラウンジで出発前のひと時を堪能出来たり、
ちなみに英語のloungeって動詞だとブラブラするとかもたれかかるって意味なんですよ。
名詞だと勿論休憩室といった意味になります。
ちょっとした豆知識でした笑
ほぼ待つことなく専用カウンターでチェックインを行ったり、預けた手荷物を優先的に受け取れたりと恩恵はかなり大きく、旅が非常に快適になります。
なおこのプレミアムメンバーサービスは1年限定ですが、プラチナメンバーとダイヤモンドメンバーはこれら多くの特典を一生涯受けられる特別なクレジットカードに申し込むことが出来ます。
そんな夢のようなカードがスーパーフライヤーズカード(SFC)です。
SFCについては別記事で詳しく解説しております。
プレミアムポイント
これらプレミアムメンバーの判定基準となるのがプレミアムポイントです。
・ブロンズメンバー:プレミアムポイント30,000ポイント~(うちANA運航便で15,000)
・プラチナメンバー:プレミアムポイント50,000ポイント~(うちANA運航便で25,000)
・ダイヤモンドメンバー:プレミアムポイント100,000ポイント~(うちANA運航便で50,000)
という基準になっています。
プレミアムポイントはANA便やスターアライアンス便に有償で飛行機に乗るとマイルとは別に獲得できます。
ANAのHPやアプリでマイルの横や下にポイント数の記載があり、確認することが出来ます。
ポイントといっても別に何に使えるわけでもなく、このステータスの判断のみに使用されます。
スターアライアンス便に搭乗してもプレミアムポイントは貯めることが出来ますが、ANAのプレミアムメンバーになるためには基準ポイントの半分をANA便で貯める必要があります。
これがANA運航便で~という意味ですね。
プレミアムポイントの基準
プレミアムポイントは乗った飛行機の距離と予約した運賃の内容や路線などによって倍率が決まり以下の計算式で計算されます。
区間基本マイレージ×予約クラス・運賃種別による倍率×路線倍率+搭乗ポイント
一つ一つの要素について解説していきます。
区間基本マイレージ
区間基本マイレージとは出発地と到着地の距離をマイルで表したものです。
この区間基本マイレージがプレミアムポイント計算の出発点になります。
この区間基本マイルは、毎年秋にIATA(国際航空運送協会)より発行される「TPM(運賃計算に使用する区間距離)」を基準にしており、全世界共通の基準となっています。
例えば羽田→那覇の区間マイルは984マイルとなっています。
東京、那覇はおよそ1,500kmと言われており、1マイルは約1.6kmですから羽田那覇間は1.570kmで大体合致します。
予約クラス・運賃種別による倍率
続いての計算要素は予約クラス・運賃種別による倍率です。
航空券をどんな予約クラスまたは運賃で予約したかによる倍率を
先ほどの区間マイレージに掛け合わせます。
国内線
ANAの国内運賃はびっくりするくらい種類が多いので主な運賃とその精算率をピックアップしておきます。(すべては下の画像で確認できるようにしておきます。)
運賃種類 | 精算率 |
---|---|
プレミアムクラス通常運賃 | 150% |
プレミアムクラス割引運賃 | 125% |
普通席通常運賃 | 100% |
普通席割引運賃(SUPER VALUEはここ) | 75% |
ツアー運賃(ホテルパックツアーなど) | 50% |
国内線の運賃による精算率の全ては以下の表の通りとなっています。
こんなに運賃の種類があるのか!?という感じですね。
国際線
続いては国際線です。
クラス毎にかなり細かく分類がされています。
精算率が低いものは大抵割引運賃だったり、割引ツアー運賃のことがほとんどです。
ANAが所属しているスターアライアンスの各航空会社でも同様にクラス毎、運賃ごとに予約クラスが決まっています。
スターアライアンス便はこちらから
路線倍率
区間基本マイレージに予約クラス・運賃種別による倍率を掛けたら
続いて出てくるのは路線倍率です。
安心してください。路線倍率は超単純です。
路線倍率は以下のように3つだけの区分となっており、国内線が2倍と一番お得になっています。
搭乗ポイント
区間基本マイレージに予約クラス・運賃種別による倍率、路線倍率を掛けたら最後は
搭乗ポイントです。
搭乗ポイントはざっくり言うと高い運賃で搭乗した場合に貰えて、安い運賃の場合は貰えないボーナスポイントと思っていただいたらよろしいかと思います。
国内線
実際国内線ではプレミアムクラスや、3日前までのVALUE運賃で搭乗する場合は400ポイントが貰え、SUPER VALUEでは搭乗ポイントが貰えません。
国際線
国際線も同じような傾向が見られませす。
スターアライアンス便
スターアライアンス便も同様です。
計算例
ここまで読んで頂いた方はプレミアムポイント複雑すぎるよ。。計算なんてとてもと思われると思いますが
流石にそこはANAがシミュレーターを用意してくれています。
計算例として羽田から那覇に行く航空券でプレミアムクラス(通常運賃)に乗る場合とSUPER VALUEに乗る場合の2通りを見てみましょう。
区間基本マイレージはどちらも984マイルです。ここはクラス等に寄らず一定でしたね。
続いてクラス・運賃倍率はプレミアムクラスで150%、SUPER VALUEは75%となっています。
続いての路線倍率は国内線なのでどちらも2倍ですね。
そして最後搭乗ポイントはプレミアムクラスで400ポイント、SUPER VALUEでは0ポイントです。
これら計算からプレミアムクラスのプレミアムポイントは3,352ポイント
SUPER VALUEの場合は1,476ポイントとかなり開きがある結果になります。
ちなみに羽田那覇のプレミアムクラスは5万円強、SUPER VALUEは安い日だと1万円強の値段です。
プレミアムメンバーになるために必要なフライト
記事の最後にプレミアムメンバーになるために必要なフライト、費用感を見てみたいと思います。
例えば先ほどご紹介した羽田那覇間にプレミアムクラスの正規運賃で搭乗した場合に貰えるプレミアムポイントは3,352ポイントでしたね。
SFCが申し込み可能となるプラチナメンバーの50,000ポイントを達成するためには1年間で8往復が必要です。
羽田那覇のプレミアムクラスは片道5万円強なので80万円以上掛かります。
なお安い運賃のSUPER VALUEの場合は1,476ポイントでした。
この場合50,000ポイントには1年間で17往復が必要です。羽田那覇のSUPER VALUEだと安い場合は片道1万強なのでこれでも40万円ほど掛かります。
これくらい1年間に有償で飛行機に乗るとプレミアムポイントが50,000ポイント貯まり、プラチナメンバーとなることが出来ます。
ダイヤモンドメンバーはこの倍です。果てしないです。
そして一生涯ANAの上級会員となれるスーパーフライヤーズカード(SFC)が申し込めるわけですね。
普通はよっぽどの旅行好きか出張族の方でない限りなることが難しいのがANAのプレミアムメンバーということですね。
私は19年に南米に行ったこともあり、ANAのプラチナメンバーになってSFCに申し込みしました。
無料でプレミアムポイントを貯める方法
出張族の方はいいのですが普通はANAのプラチナメンバーになるためには40万円~80万円ほどの費用そして時間がかかります。
この費用と時間を無駄と思うか、それだけの価値があると考えるかは人それぞれです。
ただ、時間に関してはどうしようもありませんが、費用に関しては可能な限り安く、もしくは無料でプラチナメンバーになる方法があります。
それは以下3つの手順です。
①ANAマイルを貯める
②マイルをスカイコインに交換する
③スカイコインで航空券を購入して飛行機に搭乗する
まずは①ANAマイルを貯めましょう。
誰でも年間数十万マイル貯めるANAマイルの貯め方はこちらで記事にしています。
上記で貯めたマイルを②スカイコインに交換します。
スカイコインとは10コイン単位で10コイン=10円として航空券やツアーの料金支払いに使うことができます。
ANAゴールドカードを所持している場合にはマイルを最大1.6倍でスカイコインに交換できます。(一般カードの場合は最大1.5倍、カード未所持のマイレージ会員は最大1.2倍)
ANAゴールドカードを所持していれば40万円分の航空券をスカイコインで買うためには25万マイルが必要ですが、25万マイルは一年間で貯めることが可能なマイル数です。
あとは③スカイコインで航空券を購入して飛行機に乗るだけです。
この方法を利用すればプラチナメンバーになるまでの費用を半分以下~完全無料とすることができます。
以上、ANAの上級会員であるプレミアムメンバーとその判断要素となるプレミアムポイントについてでした。
無料でマイルを貯めれば少し時間は掛かりますが、プレミアムポイントも無料で貯めることが出来ます!
プレミアムポイントを貯めた先にはANAの上級会員や一生涯ANAの上級会員となれるスーパーフライヤーズが待っています。
是非狙ってみてください。
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