【ANA19年度決算から見る経営状況】営業利益前年比6割減、キャッシュ大幅減

投資

4/28(火)ANAが19年度の決算を発表しました。JALは30日(木)発表

発表によると2019年度の決算は

売上高が対前年で4.1%/840億円減の1兆9742億円、

営業利益が同63.2%/1,042億円減の608億円

で着地した ようです。

経理・財務の専門ではないのですが、売上数兆円規模の旧財閥系企業で勤務中である私が、ANAの決算発表に関して気になる点を見ていきたいと思います。

着目して見ていくのは

売上高、営業利益

キャッシュフロー(現金の流れ)

配当

今後の見通し

この4点です。

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売上高・営業利益

まずは一番わかりやすい売上高と営業利益から見ていきましょう。

冒頭で述べた通りですが

売上高が対前年で4.1%/840億円減の1兆9742億円、

営業利益が同63.2%/1,042億円減の608億円

となりました。

売上の減少に対して利益減りすぎじゃないかと思う方もいるかもしれませんが、

航空業界はコストの構造上固定費(飛行機関係の費用や人件費、この文字だけで高そうですよね)が非常に高いので、こんなもんだと思います。

売上減がダイレクトに損益に響いてきます。

from国土交通省資料

キャッシュフロー

売上と営業利益も大事ですが、経営状況を見るためにはキャッシュフロー(現金の流れ)も非常に大事です。

現金は会社にとって血液です。いかに現金を回していくかが経営でも投資でも重要です。

そのためキャッシュフローについて見ていきたいと思います。

キャッシュフローの現状

ANAの手元の現金は19年3月の約2,120億円から約1,360億円へ大幅に減っていることを表しています。

この手元の現金1,360億円がなくなったらいくら営業利益が黒字だろう倒産です。(黒字倒産する会社は結構多いです。)

簡単に見方を説明します。

営業活動によるキャッシュ・フローはざっくり言うと、航空券の売上などによる収入です。つまり営業活動によって手元に入ってくる現金と思って頂くのがわかりやすいです。

(減価償却費などもありますがここは簡略化するために省略)

投資活動によるキャッシュ・フローとは航空機の取得などの支出が該当します。

手元から出ていく現金ですね。

財務活動によるキャッシュ・フローは 、社債の発行や借入などの資金調達借入金の返済が該当します。つまりざっくりいうと借金をした場合は収入となり、借金を返した場合は支出となることが多い項目です。

今年は財務活動によるキャッシュ・フローは238億円の収入となっていますね。

以上の結果から現金及び現金同等物は、前期末に比べて約760億円減少し、1,360億円となっています。

計算式:(前期末現金)+(営業キャッシュ・フロー)-(投資キャッシュ・フロー)+(財務キャッシュ・フロー)=(今期末現金)

2,120億円+1,300億円-2,300億円+240億円=1,360億円

不思議紳士
不思議紳士

ちなみに営業キャッシュ・フローから投資キャッシュ・フローを引いたものをフリーキャッシュ・フローといいます。

このフリーキャッシュ・フローが企業が借金の返済など自由に使えるお金です。

一年間で現金の減少が約760億円でまだ、1,360億円もあるからあと1~2年は大丈夫というわけではありません。

実際19年12月末の現金は2,560億円あったんです。つまりたった3ヶ月で1,200億円の現金が手元から消えたということになります。

12月末時点のキャッシュフロー

繰り返しになりますが、会社が成り立たなくなるのは手元の現金がなくなったときです。

仕入れ、経費の支払いに充てる現金がなければ事業は成立しません。

個人でいうところの生活費を支払う現金がなければ生きていけないのと同じですね。

今後の対応

不安を煽りたいわけではないのでANAの対応についても書いておきます。

この状況があと3か月続けば・・・ということなので

この状況に対してANAは手元資金を厚くするため、支出を減らすことは勿論、借入を増やしたり、政府に融資を要請するなどで対応していくようです。

ひとまず4月に銀行借入1,000億円、融資枠を3,500億円へ拡大を行うようです。

以前取り上げた1.3兆円はあくまで最悪ケースの想定で適宜ということですね。

(まあ当たり前ですが。。。)

配当

19年度の配当はもともと75円/株を予定していましたが無配となりました。

キャッシュフローの項目の通りですが、状況を考えると当然ですね。。。

そして次項の今後の見通しにも絡みますが、20年度の配当は未定になっています。

今後の見通し

コロナウイルスの影響がいつまで続くか誰にも予測がつかないため、20年度の予想は現時点で未定としています。

20年度の予想は未定と公表している会社はANAに限らず多いですね。

あと気になるのは株価ですね。

この決算を受けて株価がどうなるのかは気になります。

ちなみに20日(月)にこの決算の見通しを発表した際は、ANAの株価は驚くほど変化がありませんでした。笑

赤の横線が昨日の終値であり、上下はあったものの、昨日の終値とほぼ同じ値となっています。

ただ、20日の発表はあくまで見通しで、キャッシュフローや無配当は公表されていなかったので、今回の発表でどうなるのか注目してみたいと思います。

不思議紳士
不思議紳士

とは言ってもキャッシュフローの悪化や無配当は予想の範疇なので今回もあまり変わらないかもしれません笑

航空会社はかなり苦しい状況が続くと思いますが、

何とか耐えて、また空に羽ばたいて欲しいですね。

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