ANAと同じスターアライアンスの核であり、世界の大手エアラインであるドイツのルフトハンザ関連について衝撃のニュースが流れたのは4月末。
ルフトハンザは破綻処理による再建も選択肢とし、政府と支援交渉を詰めている。
というものでした。
しかし、先日90億ユーロ(1兆1,000億円)の公的支援を受けることに合意したとニュースが流れ、当面破綻は避けられることとなりました。
ルフトハンザのニュース記事
まずニュースとなっていた記事を見てみます。
独航空大手ルフトハンザの監査役会は1日、独政府と合意した90億ユーロ規模の救済案を承認した。ルフトハンザは新型コロナウイルス感染拡大で業績が急激に悪化。
ロイター
ルフトハンザは1-3月の営業利益が約1,400億円の赤字となっており、1兆円規模の支援を政府に求めていましたが、その内容で政府や欧州委員会と揉めていました。
そのため、経営破綻も視野に入れて政府と交渉をしていました。
オーストラリアのヴァージョンオーストラリアは政府との交渉がまとまらず破綻してしまいましたね。タイ国際航空も破綻しましたね。
支援の受け入れが長引いたわけ
コロナウイルスの影響で経営が厳しくなっていたルフトハンザは4月頃からドイツ政府との救済策を交渉していました。
が、合意までに1ヶ月もかかっています。
その理由は欧州委員会が公的支援を受ける条件として、「フランクフルトとミュンヘンの両空港でそれぞれ合計24回分の発着枠を競合に渡すこと」をルフトハンザに要求していたからです。
フランクフルトとミュンヘンはルフトハンザにとって要の空港であり、そこの発着枠を競合他社に渡すのは渋っていたわけです。
公的支援を受ける際は、通常様々な制約を受けることになります。
制約を受けずに公的支援を受けられたら、競合他社(ライバル)からしたら不公平極まりないですかね。
実際JALも公的資金が注入された際、羽田空港の発着枠については競合のANAに譲られたりしています。
(JALの場合はガチの経営破綻ですが)
合意内容
と、欧州委員会からの要求を渋っていたルフトハンザですが、破綻しては元も子もないないので、要求をある程度受け入れたようです。
内容としては以下3点。
・ 独政府はルフトハンザの株式20%を取得する
・ 政府は監査役会に2人の監査役を送り込む
・ フランクフルトとミュンヘンの空港で最大24の発着枠を手放す
どれも公的支援などをする際によくある内容となっています。
なお、ルフトハンザの売上高は年間4兆円超であり、ANAとJALを足しても届かない規模の大きさの航空会社です。 (ANAもJALも2兆円ほど)
就航国数は100か国以上の巨大エアラインです。
(ANAは20か国ちょっと)
ルフトハンザは売上は大きいですが、経営はあまり良くなかったんですよね。。。
ルフトハンザは何回かお世話になったことがあり、今後とも頑張って欲しいところではあります。
欧米諸国ではコロナウイルスの感染状況を見ながら経済活動を再開する動きが本格化していますが、従来の需要に戻るまでは数年かかるとも言われています。
日本の2社も厳しいと思いますが、なんとか耐えて頑張って欲しいですね。
コメント