LegalZoom(LZ)リーガルズームの銘柄分析(ビジネス/収益モデル・決算まとめ)

アメリカ株個別銘柄

個人が会社を始める際に登記事務などを支援するオンライン・プラットフォームを展開する企業LegalZoomの会社概要、事業領域、事業領域の市場、決算推移、株価情報についてまとめています。

普段より軽めの分析になっています。

S-1

個人が会社を始める際に登記事務や州政府への法的な文書提出などを支援する企業

手数料ビジネスとサブスクリプションモデルの両輪

2020年には新しい有限責任会社の10%がLegalZoomを介して設立

20年売上は$471Million 、コロナ禍でも前年比+15%直近四半期は+27%成長

当記事は私自身の投資活動ににおいて興味のある銘柄の情報を整理する目的で作成するものであり、該当銘柄への投資を推奨するものではありません。

とある旧財閥系、日経225オールドエコノミーで投資経済性を見ている不思議紳士です。20代でアメリカ株初心者です。PFの7割はVTIですが、余裕資金で個別株に挑戦中です。

今後様々な企業の分析をしていきたいと思っています。

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不思議紳士
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会社概要

それでは会社概要について見ていきましょう。

基本情報

LegalZoomはアメリカ、カリフォルニア州のロサンゼルス近郊に本社を置き、 個人が会社を始める際に登記事務などを支援するオンラインプラットフォームを展開する企業です。

また各種届け出やコンプライアンス対応、税務・会計処理のサービスも提供しています。また必要であれば、オンライン・マーケットプレイスを通じて、弁護士を紹介することも可能です。

さらに州政府から送られてくる法的な文書の伝達や返信、処理を代行するサービスをサブスクリプション形式で提供しています。

世界投資へのパスポートより

アメリカの50州すべてで事業を展開し、2020年には新しい有限責任会社(LLC)の10%、およびアメリカの新しい企業の5%がLegalZoomを介して設立されました。

設立は2000年と結構古い会社で、現在のCEOは2019年から現職に就いているとのこと。私が取り上げるグロース銘柄だと創業者がCEOのことが多いので、珍しいと感じてしまいますね。

LegalZoomは「 to democratize law 」を会社ミッションにしています。訳は「法律を民主化する」ですね。シンプルでかっこいいです。

そして「私たちのプラットフォームは、新しいビジネスの設立を支援します。 中小企業が設立されると、私たちはビジネス、そのアイデア、そしてそれらを設立する家族を保護するためのサブスクリプションサービスを提供します。私たちは、中小企業の所有者が、事業を運営するために必要な法規制の複雑さに対応するのではなく、エネルギーと情熱を事業に適用できるようにします。」と言っています。

スモールビジネスのお助けマンといったところですね。

企業法務や政府機関など向けに法律関係のソリューションを提供するリーガルテック企業 CS Discoという会社もあります。

中小企業、スタートアップ向けにマーケティングプラットフォームをSaaSで提供するHubSpotという会社もあります。

プロダクト

続いてLegalZoomのプロダクトについて見てみましょう。

プロダクトは2つあり個人が会社を始める際に登記事務などを支援する「Transaction products」と 州政府から送られてくる法的な文書の伝達や返信、処理をサブスクリプション形式で代行するSubscription services」となっています。

「Transaction products」は2019年、2020年、2021年1月~3月の3か月間に、それぞれ691,000、892,000276,000のtransactionのオーダーを完了しています。

コロナ禍で中小企業のビジネスが苦しかったであろう2020年も19年よりも多くのオーダーを処理しているのはポジティブだと思います。

具体的には以下のラインナップとなっており、有限会社(LLC)・非営利団体の設立商標出願・著作権登録といった知的財産関係給料支払いや税金関係不動産関係の遺言会社の名称変更など様々な手続きを担っています。

仮に法務または会計関係での支援が必要となった場合、顧客はサブスクリプションにオプトインして、税務専門家および独立した弁護士のネットワークにアクセスすることもできるようになっています。

Subscription services」 は以下のようなラインナップになっています。

アメリカの多くの州では、LLCなどの事業体は州からの法的文書や政府の公式連絡を受けるために、登録された代理人を任命し維持する必要があります。多くの州では、登録代理人は営業時間中に対応可能でなければなりません。 LegalZoomの「Registered agent subscriptions」は、法的文書をデジタルまたは物理的に受け取り、処理を代行してくれます。

このほかにも納税申告書や企業の年次報告書など、州が義務付けた規制当局への書類提出を作成する支援を受けたり弁護士や税理士にコンタクトを取れたりアドバイスを受けられるのサブスクリプションサービスがあります。

収益/ビジネスモデル・顧客

ビジネスモデルですが、収益の大部分は、「Transaction products」の手数料と、 「Subscription services」のサブスクリプション料から成り、割合はちょうど半々くらいです。

サブスクリプション期間は1ヶ月から1年の範囲となっています。

事業を始めた顧客の取引予約数は以下のようになっており、年々伸びていることがわかります。

一方で「Subscription services」のannual retention rate(維持率)は68%となっています。ピカピカのSaaS企業ではretention rateは120%ほどでLegalZoomのそれは非常に低く見えます。

だだし、この68%には事業を畳んだ顧客もカウントされています。一般に新規事業の約20%は設立から1年以内に失敗すると言われてますので、この数字を考慮する必要があります。

この68%は2020年3月末と比較して9ポイント改善しました数字ということです。

市場見通し・規模

続いてLegalZoomが事業を展開している市場について見ていきます。

LegalZoomは、 $48.7 billionのサービス可能なアドレス市場(SAM)があると見ています。

なお、LegalZoomの20年売上は$470millionです。

LegalZoomのSAMには、中小企業が事業設立時に使用する$18.3 billionのサービス中小企業が設立後に使用する$21.5 billionのサービス、および$8.8 billionの消費者の不動産計画サービスが含まれています。

さらにLegalZoomは主に、最大50人以下の従業員を抱える中小企業にサービスを提供しており、アメリカ国勢調査局によると、2017年にはそのような企業は3,170万件ありました。 中小企業市場はダイナミックであり、州務長官の提出書類の分析に基づくと、年間440万の新規事業設立があると推定されています。

決算情報(21年決算)

続いてLegalZoomの業績内容について見ていきたいと思います。

20年のRevenue(売上)は$471Million(約518億円)、Gross profit(粗利)は$316Million(348億円)、Net income(利益)は$10Million(約11億円)の黒字となっています。

粗利率は67%ほどと高水準です。

19年の売上は$408MillionGross profit(粗利)は$271MillionNet income(利益)は$7Millionの黒字だったため売上は+15%の成長粗利は+17%の成長とマイルドな成長となっています。

上でも述べましたが、2020年はコロナ禍で中小ビジネスは苦しかったと思いますのでその中でも伸びているのはポジティブなのではないかなと思います。

21年の3月までの決算も横に載っていたのでそちらも見てみます。

21年1QのRevenue(売上)は$135MillionGross profit(粗利)は91MillionNet loss(損失)は$10Millionの赤字となっています。

20年1Qの売上は$106MillionGross profit(粗利)は$71MillionNet loss(損失)は$5Millionの赤字だったため売上は+27%の成長粗利は+28%の成長となります。

経済の再開と共に成長が加速しているという傾向なのかなと思います。赤字になっているのは気になるところですが。。。20年の1-3月も赤字なので何かしら季節要因があるのかもしれません。

営業キャッシュフローはきっちりプラスで19年から20年にかけて倍近く増えています

株価、時価総額、バリュエーション

続いて株価、バリュエーションについて見ていきます。

株価についてはこのような感じです。

時価総額:$7.4Billion

PSR:16倍

(20年売上$471Millionの場合)

仮に21年に売上高が20%伸びた場合PSRは13倍ほどになります。そこそこ妥当なのかなと思います。

感想

以上LegalZoomの企業情報や、事業領域の市場、決算を見てきました。

感想としては、コロナ禍でも前年比で成長していたり、黒字を確保できていたり、営業キャッシュフローがしっかりしていたりと古い会社でしっかり経営されているのではないかなと思いました。

一方で古い会社でそこまで成長率が高いわけではないのでもう少ししっかり黒字を確保して儲けていてほしいなと思いました。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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