【6/10IPO!】Monday.com(MNDY)の銘柄分析(ビジネス/収益モデル・決算まとめ)

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顧客自身がタスク管理などのツールを作成できるプラットフォームを提供するイスラエルのSaaSハイテク企業Monday.comの 会社概要、事業領域、事業領域の市場、決算推移、株価情報についてまとめていきます。

F-1

顧客自身がノーコードでタスク管理(PMO)ツールやアプリケーションを作成できるプラットフォームを提供するSaaS企業

20年売上成長率+106%(直近四半期+85%)、Net Dollar Retention Rate+121%

Pelotonやlightspeed、Hubspot、Adobe、Coca-Colaなど 12万8千社が顧客

粗利は86%と超高め

時価総額は5.5~6.1Billionの予定。PSRは20年売上ベースで34~38、21年ベース23~26

当記事は私自身の投資活動ににおいて興味のある銘柄の情報を整理する目的で作成するものであり、該当銘柄への投資を推奨するものではありません。

とある旧財閥系オールドエコノミーで投資経済性を見ている不思議紳士です。20代でアメリカ株初心者です。PFの7割はVTIですが、余裕資金で個別株に挑戦中です。

今後様々な企業の分析をしていきたいと思っています。

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不思議紳士
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会社概要

それでは会社概要について見ていきましょう。

基本情報・プロダクト

Monday.comはイスラエル、テルアビブに本社を置き、主に顧客自身がノーコードまたはローコードでタスク管理(PMO)や顧客・営業管理(CRM)、労務管理(HR)といったツールを作成できるプラットフォームを提供しているSaaS企業です。

不思議紳士
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ノーコードとは、Webサービスやアプリ開発に必須であったプログラミング言語によるソースコードを、パーツとしてビジュアル化欲しいパーツを置きたい箇所に配置していくことで、アプリなどを開発することができるサービスのことです。 (パーソルブログより)

ローコードもほぼほぼ同じで最小限のソースコードで、ソフトウェア開発を行うことです。

プログラミング言語によるソースコードをパーツとしてビジュアル化という部分が肝で、このパーツをLEGOブロックのように組み合わせていくことで好みのアプリやツールを作成することが出来るプラットフォームをSaaSで提供しているのがMandayになります。

従来ツールやアプリケーションの開発はユーザーへのヒアリングシステムの要件定義システム開発会社による設計テストといった流れが標準で、これには時間も費用も多く掛かるというのが通例でしたが、ノーコード・ローコード開発により、プログラミングの知識などがなくても自社でツールの作成ができ、上記の工程の短縮や簡素化を図ることが期待されます。

文章だけの説明では難しいのでまずプロダクトを見ながらイメージを掴んでいきたいと思います。

イメージは以下のような感じで、ダッシュボード自動化機能グラフによる可視化機能など様々なパーツを組み合わせて顧客が望むツールを作成し、業務の効率化などを目指します。

そして作成されたツールのイメージが以下になります。

ドラッグアンドドロップで好きな位置に様々な機能のパーツを配置することで自身やチームのニーズに合ったツールを簡単に作成することが出来ます。

組み込める機能としては上でも触れましたがOutlookやZoomなどの外部ツールとの連携作業の自動化ダッシュボードガントチャートファイル管理など様々です。

これら機能を組み合わせてタスク管理営業・顧客管理人事・労務管理などに使えるツールやアプリケーションを顧客が作成しています。

MondayのHP(日本語)で様々な機能や活用例が載っているので興味ある方はご覧になるのがいいと思います。

続いて創業者についてです。

MondayはRoy Mann氏とEran Zinman氏による共同設立で2012年に設立されています。

Roy Mann氏はMonday設立前は同じくイスラエル企業でホームページ作成ツールを提供するWix.com Ltd.でsenior technology leaderを務めていたということです。

Wixもドラッグ&ドロップで簡単に誰でもホームページを作成できることから似通った部分があるなと思います。

Eran Zinman氏はMonday設立前はこちらもイスラエルにある国際的なソフトウェア会社コンジット社のコンジットモバイルで研究開発マネージャーを務めていたそうです。

2人ともMonday設立以前にもほかの会社の設立をそれぞれ行っていたようで、Mondayは2社目の起業のようです。

収益/ビジネスモデル・顧客推移

Mondayの収益モデルは単純明快でMondayのプラットフォームにアクセスする顧客からの月次、年次のサブスクリプション料が売上になります。いわゆるSaaS企業というやつですね。

ベーシック、スタンダード、プロ、エンタープライズという4つのプランがあるようです。こちらも日本語でHPに値段とできることが載っていますのでご覧になるといいと思います。

顧客は21年3月末時点で12万8千社となっています。20年3月末は11万4千社、19年3月末は8万7千社でした。

S-1に載っていた顧客はこんな感じです。PelotonlightspeedHubspotなんかはグロース株が好きな方にはなじみ深いかもしれません。

日本語のHPを見に行くとコカ・コーラやアドビなんかが載っています。

その中でも重要な顧客であるARRが$50Kを超える顧客は21年1Qには335社となっています。

20年1Qでは105社だったことから、成長率は+219%となっており驚異的です、

不思議紳士
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ARRとは、Annual Recurring Revenueの略で、毎年決まって得られる1年間分の収益、売上のことです。

なお上位10社に占めるARRの割合は65%となっています。そこそこの依存度と言えるかと思います。

そしてその10社のNet Dollar Retantion(売上継続率: 既存顧客からの売上が前年度からどの程度増減しているか)は121%となっており、既存顧客の満足度が高くユーザーが増えていることが推測されます。

以下がQ単位のコホートになりますが、導入から1年経ってもARRが順調に伸びていることがわかります。

0-4の傾きが急なのはその年に新規で顧客を獲得していくことでARRがどんどん伸びていきますが、4Q経つとその年の新規顧客の獲得によるARR上昇は止まり、その年に獲得した既存顧客からのARRの増加のみに頼ることになるため、傾きは当然緩やかになります。

市場見通し・規模

続いてMondayが事業を展開している市場について見ていきます。

調査会社であるIDCの見積もりによると、2020年のMondayが獲得可能市場の合計は$56.1Billionでしたが、2024年には$87.6Billionに成長し、4年間のCAGR(年平均成長率)は12%になると言われています。

上記の数値は、プラットフォームで最も一般的な使用例に対応する次の市場のサイズを合計することによって計算されているとのことです。

その内訳はプロジェクトおよびポートフォリオ管理($4Billion)共同アプリケーション($21.7Billion)営業部隊の生産性および管理($11.5Billion)ソフトウェアの変更、構成とプロセスの管理($4.6Billion億)、およびマーケティングキャンペーンの管理($14.3Billion)となっています。

とS-1にはこれだけしか市場のことについて記載がありません。少し寂しいですね。笑

なおMondayの20年売上は161Millionとなっており、巨大なマーケットを市場にしていることは間違いないです。

また、Covid-19の影響や今後世界的に高齢化が進んでいくことから労働力の確保が難しくなるなどでDXなどは今後も推進されていくことが予想されています。Microsoftの決算コールでも2021年からDXはより加速していく、一時的なものではないということが言われています。

ちなみに自動化のみに絞ると以下のようなデータがあります。(RPA会社のUiPathの資料)

Mondayにも自動化機能があるため、この市場成長の一部にあやかることが出来るかもしれません。

決算情報(20年決算)

続いてMondayの業績内容について見ていきたいと思います。Mondayの年度決算は12月〆です。

20年の売上は約$161Million(約177億円)、Net Lossは$152Million(約167億円)の赤字となっています。

19年の売上は$78Millionですから前年比で売上成長率は+106%と文句なしの成長となっています。

粗利率は86%ほどとなっており、非常に高い数値になっています。SaaS企業はどこも粗利率は高い傾向にありますが、86%はその中でも高い水準にあります。(ZM約70%、DOCU約75%)

21年の1-3月の決算も載っていたのので見ていきます。

売上が約$59Millionで前年同期比84%成長となっています。

株価、時価総額、バリュエーション

続いて株価、バリュエーション、について見ていきます。

こちらのTwitterでの情報を基にPSRについて見てみます。

株価は$125~140の間で、時価総額は5.5~6.1Billion(約6,000~6,700億円)ほどとなっています。

20年の売上は約$161Million(約177億円)でしたから20年の売上ベースだとPSRは34~38程度、

21年の1-3月の売上(約$59Million)×4を基準とすると23~26程度となります。

株価は$125~140で買えれば悪くない水準かと思いますが、初値はどうなるでしょう。6/10IPOなので期待したいと思います。

感想

以上Mondayの企業情報や、事業領域の市場、決算を見てきました。

感想としては、ノーコードでツールを作成していくのは今後のトレンドだと思いますし、私自身も仕事でシステムの導入なんかを検討したりするので、触ってみたいなと思う部分はあります。

ツールなどのノーコード開発はITの巨人MicrosoftやSalesforceなんかもいずれ参入してきそうですし、(特にCRMやビジュアライズのプラットフォームを提供しているSalesforceとは非常に相性が良さそう。。。)買収のターゲットになったりするのかななんて思いました。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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コメント

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