E-commerceの越境プラットフォームを提供する企業Global-E Online Ltd.の様々な情報についてまとめます。
当記事では、 Global-E Online Ltd. の会社概要、事業領域、事業領域の市場、決算推移、株価情報についてまとめています。
・ E-commerceの越境プラットフォームを展開するイスラエル企業
・20年GMV成長率は+103%、売上成長率は+109%
・成長企業ながら20年に黒字化
・過去12か月売上ベースのPSRは26と高め、粗利は30%と低め(ただし改善中)
・コロナ特需後の21年見込みが気がかり
当記事は私自身の投資活動ににおいて興味のある銘柄の情報を整理する目的で作成するものであり、該当銘柄への投資を推奨するものではありません。
とある旧財閥系オールドエコノミーで投資経済性を見ている不思議紳士です。20代でアメリカ株初心者です。PFの7割はVTIですが、余裕資金で個別株に挑戦中です。
今後様々な企業の分析をしていきたいと思っています。
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会社概要
それでは会社概要について見ていきましょう。今回対象企業が単純なビジネスモデルだったこともあり軽めの内容になっています。
基本情報
Global-E Online Ltd. はイスラエルに本社を置き、 E-commerceの越境プラットフォームを展開する企業です。
簡単に言うとオンラインショップを海外に展開したいと思った際に、 Global-E Online Ltd. のプラットフォームを取り入れることで、オンラインショップを海外仕様にカスタマイズしてくれるといった感じです。
対応言語は25以上、対応通貨は100以上、対応支払方法は150以上、税金関係も170以上の市場に対応しています。
Global-E Online は会社のミッションを「to make global e-commerce “border agnostic」としています。 意味としては「グローバルなE-commerceをボーダーレスにする」といったところでしょうか。 agnostic は見慣れない単語ですが、無可知論のという意味ですが、この日本語も見慣れないです。笑 神の存在を証明することも反証できないと唱えるということらしいので意訳すると上記のような感じでしょう。
キャッチフレーズは「Go global. Be local. 」となっています。
創業者かつCEOのAmir Schlachetは、イスラエル国防軍のさまざまなエリート技術ユニットにて11年間働いており、幅広い技術的バックグラウンドを持っているとのこと。
さらに、Global-E Onlineを設立する前はイスラエル最大の銀行である Bank Hapoalimの戦略アドバイザーを務めていたそうです。
設立は2013年で昨年はコロナの影響もあり、GMV(Gross Merchandise Volume:流通取引総額)は加速度的に伸びています。
Global-E Onlineのプラットフォームを入れることで自身が持つオンラインショップを海外用にローカライズすることが出来ます。
例えば価格、言語、支払であれば以下のような感じです。
収益モデル・顧客推移
Global-E Onlineの収益モデルは単純明快でGlobal-E Online上での取引総額(GMV)に応じて一定の手数料を受け取る形になっています。
Global-E Onlineのプラットフォームを使用する企業が増え、さらにそこでの取引量が増えればより儲かるという形になっています。
プラットフォームを入れることでのサブスクリプション料は取っていないようです。
以下はGlobal-E Onlineのプラットフォームを入れたMerchantのコホートですが、非常に綺麗に伸びており、プラットフォームを導入した企業での取引額が増えていることがわかります。
Net Dollar Retention Rate(売上継続率:既存顧客がどれだけ売上を増やせているか)は140%とかなり高い数字となっています。
Merchant数も順調に伸びており、19年末に283だったMerchant数は20年末には11ヵ国の442となっています。18年末は161だったということですからかなりMerchant数を伸ばしていると言えるでしょう。
一番依存しているMerchantのGMV・売上に占める割合は20%程度でTOP10のMerchantで40%を占めるとのことです。
市場見通し・規模
続いてGlobal-E Onlineが事業を展開している市場について見ていきます。
いままで部分でお分かりになる通りGlobal-E Online の主戦場はオンラインマーケットとなっています。
ECの市場は今後伸びていくことが予想されています。
グローバルのE-commerce市場は2020年に$4.2Trillion、その後も順調に伸びていき、2023年には$6.5Trillionとなります。
このすべてがターゲット市場とは口が裂けても言えませんが、 Global-E Onlineの20年GMVは$774Millionですから拡大と成長余地は多分にあると言えると思います。
決算情報(20年決算)
続いて Global-E Onlineの業績内容について見ていきたいと思います。
20年通年決算、過去2年の業績推移について見てみます。
20年決算
20年のGMVは$774Million(約850億円)、売上は約$136.3Million(約150億円)、Net incomeは$4Million(約4億円)の黒字となっています。
成長企業ですでに黒字となっているのは驚きです。
19年のGMVは$382Million、売上は$65.8MillionですからGMV成長率は+103%、売上成長率は+109%と文句なしの成長となっています。
過去2年売上・損益推移
続いて過去2年の売上と損益について見てみます。
売上は説明するまでもなく非常に綺麗に伸びています。
損益は18年が-$11.6Million、19年が-$7.5Millionと赤字が回復し、20年には$3.9Millionと前述の通り黒字化しています。
Gross Margin%(粗利率)は18年22%、19年28%、20年32%と上昇傾向ですが、そこまでは高くない印象。将来的にどこがゴールになるのか気になるところですね。
IPO後初の決算についてはユーエスさんがまとめてくださっています。
売上、GMVとも加速しており、素晴らしい決算ですね。21年の通年ガイダンスは$209~213.5Millionとのことで、前年比53~57%の成長に落ち着くようです。
かなり控えめなガイダンスという印象です。
株価、時価総額、バリュエーション
続いて株価、バリュエーション、について見ていきます。
株価の推移は以下のようになっています。上場したばかりですが、IPO価格の25ドルを多少上回る程度で推移しています。現状グロース株にはagainstの風が吹いているので全く人気化しなかったようですが、そのご調子よく上がっています。
時価総額バリュエーションについては米国版Yahoo Financeからデータを取ってきます。
時価総額:5Billion
PSR:37倍
(20年通年売上:$136Millionの場合)
PSR:24倍
(21年通年売上:$211Millionの場合)
IPO価格からそこそこ上がったのでPSRは24倍と全く低くはないですね。
既に黒字化しているとはいえ、粗利が低いため、この水準のPSRで今から参入するというのは個人的には控えたいかなという印象です。
感想
以上Global-E Onlineの企業情報や、事業領域の市場、決算を見てきました。
感想としてはすでに黒字化しており、成長も申し分ないのですが、少しバリュエーションが高いかなという印象です。
21年のガイダンスが弱い印象も否めないのでコロナ後の成長を見つつ判断という形になるかなと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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