Qualtrics(XM,クアルトリクス)の銘柄分析(ビジネス/収益モデル・決算まとめ)

アメリカ株個別銘柄

様々な業界向けにエクスペリエンス(体験)を管理するソフトウェアシステムを開発・提供する企業Qualtricsの会社概要、事業領域、事業領域の市場、決算推移、株価情報についてまとめています。

今回は軽めの内容になります。

IRページ

様々な業界向けにエクスペリエンス(体験)を管理するソフトウェアシステムをSaaSで提供する企業

4,100社以上、フォーチュン100の85%以上が採用 NRR125%

21年3Qの売上$272M(約299億円) 成長率前年同期比+41%

時価総額$25BでPSR21(21年4Q$297M×4ベース) 粗利率79%

当記事は私自身の投資活動において興味のある銘柄の情報を整理する目的で作成するものであり、該当銘柄への投資を推奨するものではありません。

とある旧財閥系、日経225オールドエコノミーで投資経済性を見ている不思議紳士です。20代でアメリカ株初心者です。PFの7割はVTIですが、余裕資金で個別株に挑戦中です。

今後様々な企業の分析をしていきたいと思っています。

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不思議紳士
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会社概要

基本情報

Qualtricsはアメリカに本社を置き、様々な業界向けにエクスペリエンス(体験)を管理するソフトウェアシステムをSaaSで提供する企業です。

設立は2002年と比較的古い会社で、2017年から エクスペリエンス(体験)マネジメントデータを分析するクラウドベースのソフトウェア プラットフォームをサブスクリプション形式で提供し始めています。

18年に一旦ドイツのSAPに$8billionほどで買収されましたが、 21年1月スピンオフされNasdaqに上場しました。

体験を管理といわれてもイメージがつきにくいかもしれませんが、顧客、従業員、製品、ブランドに対しての感想や意見をアンケートなどで収集しフィードバックし、分析を行うことエクスペリエンスマネジメントです。

具体的にはサービスを利用した顧客や商品を購入した顧客からのアンケートを通じたフィードバックを収集、分析し顧客本位の改善活動を継続的にを支援したり、会社従業員からの意見を収集分析し、社内の全管理職・リーダーに対して推奨アクションを提示するといった感じです。

エクスペリエンスマネジメントを行うことで顧客維持率の向上やブランドの認知度の拡大を狙えたり顧客のニーズを正しく理解することで提供コストを削減し効率よく会社運営を行うことが見込めます。

Qualtricsのプラットフォームmissionは「to help turn customers into fanatics,employees into ambassador,products into obsessions,brands into religions」で日本語にすると「顧客を熱狂的なファンに、従業員をアンバサダー(大使)に、製品を執着させるものに、ブランドを信念に変える手助けをする」といったところでしょうか。

こういった理念をもとに 様々な業界向けにエクスペリエンス(体験)を管理するソフトウェアシステムをプラットフォーム化し様々な業界の顧客を抱え4,100社以上に採用されています。

プロダクト

DesignCustomerProductEmployeeBrand の5つのプラットフォームをプロダクトとして提供しています。⑥Servicesはコンサル的なもので、SaaS形式で提供されているプラットフォームではないようです。

簡単にそれぞれのプロダクトの内容を見てみたいと思います。

Design:変化する市場のダイナミクスと消費者行動を理解し、単一のシステムでデータと市場調査ツールを利用することで、市場のトレンド、変化する行動、満たされていないニーズを明らかにし、人々が次に望む体験を設計することが可能となるプロダクトです。

Customer:顧客関係のプロダクトでこちらがQualtricsのメインプロダクトです。

顧客のコメントやアンケートをダイナミックにデータ収集し、顧客にとって重要な問題を素早く提案してくれたり、地域における顧客の特性や様々な情報を可視化する機能が備わっています。

こういったアンケートは見たことある方も多いのではないでしょうか。

Product:製品に関するプロダクトで、 製品ライフサイクルのあらゆる段階で顧客の意見を収集しデータ化、分析することが可能です。顧客からの意見を取り入れた製品を開発したり、製品のアップデートをすることで収益や使用頻度、ロイヤルティを向上 させることが可能です。

Employee:自社従業員に関するプロダクトで、従業員の研修などの体験に関して、フィードバックを求めることにより、従業員の満足度向上させると共に、社内の管理職・リーダーに対して推奨アクションを提示することが可能です。

最近は従業員の働き方や、会社に対する満足度も重視されているため、需要は大きいのではないかなと思います。

Brand:自身のブランドが市場においてどういった立ち位置にいるのか、競合他社と比較してどうなのかを可視化、分析することが出来るプロダクトとなっています。

プロダクトの詳細が気になる方はHPをご覧になるといいかと思います。①以外は日本のHPにプロダクトの中身が記載されています。

https://www.qualtrics.com/jp/(日本語HP)

https://www.qualtrics.com/design-xm/(英語HP)

収益/ビジネスモデル・顧客

収益モデルは売上の殆ど(8割)はサブスクリプション料となっています。

残り2割はコンサル的なサービス収入となっています。

NRR(Net Revenue Retention:売上継続率) は125%ということでなかなかの高水準となっています。

様々な業界の顧客を抱えフォーチュン100の85%以上が採用ARR$100K以上の顧客は1,650社超となっています。

不思議紳士
不思議紳士

ARRとはAnnual Recurring Revenueの略で、毎年決まって得られる1年間分の収益のことです。

ARR$100K以上の顧客は21年3Qには前年同期比で38%で成長しており、20年3Qの29%や21年1Qの35%から成長しているのが素晴らしいと思います。NRRも上昇傾向となっています。

海外展開も行っており、アメリカ外からの収入は28%となっています。日本にも拠点があります。

決算情報

続いての業績内容について見ていきたいと思います。

2021年3Qの売上は$272million(約299億円)成長率は前年同期比で+41%となっています。

粗利率は79%です。(サブスクのみだと90%)

21年の通年売上ガイダンスは$1,057millionでYoY+38%となっています。

3Qの営業キャッシュフローはギリギリプラスです。

21年3Qの成長率は前年同期比+41%で以前より加速しています。サブスクの売上も21年3Qの成長率は前年同期比+51%でこちらも加速しています。

懸念としては売上に対する営業費用が高く、営業効率があまり高くない点かなと思います。MagicNumerは0.5ほどと高くありません。(0.75以上で優秀、超優秀とされているCrowd Strikeは1超え)

株価、時価総額、バリュエーション、他社比較

続いて株価、バリュエーションについて見ていきます。

株価推移はこのような感じになっています。

時価総額:$25Billion

PSR:24倍

21年売上高$1,057Millionの場合

PSR:21倍

21年4Q売上高ガイダンス$297Million×4の場合

粗利率79%で成長性がYoY+41%なのでまあ妥当なバリュエーションかなと思います。

以下はSaaSのバリュエーション表です。

感想

以上のQualtrics企業情報や、事業領域の市場、決算を見てきました。

感想としては、今後体験に消費が向くと言われ追い風を受けそうと思える銘柄だと思いました。上場後の高値を目指すようであれば注目に値するのかなと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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