4/30(木)JALが19年度の決算を発表しました。
ANAは28日(火)に発表し、その際も同様の記事を書きましたが、本日はJAL編です
発表によるとJALの2019年度の決算は
売上高が対前年で5.1%/660億円減の1兆4,112億円、
営業利益が同42.9%/755億円減の1,006億円
で着地した ようです。
経理・財務の専門ではないのですが、売上数兆円規模の旧財閥系企業で勤務中である私が、JALの決算発表に関して気になる点を見ていきたいと思います。
着目して見ていくのは
・売上高、営業利益
・キャッシュフロー(現金の流れ)
・配当
・今後の見通し
この4点です。
売上高・営業利益
まずは一番わかりやすい売上高と営業利益から見ていきましょう。
冒頭で述べた通りですが
売上高が対前年で5.1%/660億円減の1兆4,112億円、
営業利益が同42.9%/755億円減の1,006億円
となりました。
売上の減少に対して利益減りすぎじゃないかと思う方もいるかもしれませんが、
航空業界はコストの構造上固定費(飛行機関係の費用や人件費、この文字だけで高そうですよね)が非常に高いので、こんなもんだと思います。
売上減がダイレクトに損益に響いてきます。
キャッシュフロー
売上と営業利益も大事ですが、経営状況を見るためにはキャッシュフロー(現金の流れ)も非常に大事です。
現金は会社にとって血液です。いかに現金を回していくかが経営でも投資でも重要です。
そのためキャッシュフローについて見ていきたいと思います。
キャッシュフローの現状
JALの手元の現金は19年3月の約5,220億円から約3,290億円へ大幅に減っていることを表しています。
この手元の現金3,290億円がなくなったらいくら営業利益が黒字だろうと倒産です。(黒字倒産する会社は結構多いです。)
ただ年間で見ると2,000億円近く減っていますが、12月見ると実はあまり減っていません。
12月末の現金残高は3,260億円でむしろそこから見ると少し増えています。
たった3ヶ月で1,200億円の現金が手元から消えたANAとは大違いです。
JALは一度過去に破綻したため財務基盤はかなり強固になっています。
投資額や、借入金額が全然違うためIR資料をみると攻めの経営のANA、守りの経営のJALというのは今までも歴然でした。
今回の場合それが功を奏した形になっています。
配当
19年度3月末の配当はもともと55円/株を予定していましたが無配となりました。
キャッシュフローの状況を考えると当然ですね。。。
そして次項の今後の見通しにも絡みますが、20年度の配当は未定になっています。
今後の見通し
コロナウイルスの影響がいつまで続くか誰にも予測がつかないため、20年度の予想は現時点で未定としています。
20年度の予想は未定と公表している会社はJALに限らず多いですね。(ANAも同様)
あと気になるのは株価です。
ただ、決算発表次の日である今日のJAL株はこんな感じで動きました。
今日は日経平均も3%弱落ちたので決算による影響は少なそうです。
ちなみに一昨日決算発表をしたANAの翌日(昨日)の株価はこんな感じでした。
日経平均は400円以上上がった日にも関わらずです。
航空会社はかなり苦しい状況が続くと思いますが、
何とか耐えて、また空に羽ばたいて欲しいですね。
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